インナーブランディングが今求められる理由
目次
インナーブランディングという言葉を様々な場所で見る機会が増えました。
インナーブランディングとは、企業価値やブランド、理念を社内に浸透させることを目的とした社内向けのブランディング施策を指します。
今まで、様々な手法で社内向けの企業価値向上施策は行われてきましたが、近年特に注目されている理由にコロナウイルスによる働き方の変化が大きく影響しています。
弊社お客様の中でも大手から中小まで様々な企業でテレワークが実施されています。
中には、新卒で入社してからずっとテレワークでほとんど会社にいかず、会ったことのない社員、先輩、上司がほとんどという方もいました。
また、この働き方の変化から、そもそもコロナ明けも会社に集まってという働き方ではなく、地域に縛られない働き方、採用を取り入れられる会社もあり、東京の会社が広島方の方を中途採用することもお話しとしてありました。
この働き方、採用の変化は良い面もあれば、悪い面もあります。
弊社複数社のお客様から何度も耳にしているのが、「社内コミュニケーション不足」です。
会社に集まっていた際は、社員総会や仕事の後の食事などでコミュニケーションはいつでもとることができました。
しかし、今このご時世なかなかそれも集まって食事などが難しくなってきました。
社長から幹部へ、役員から社員へと直接伝達されてきた会社の理念やビジョンなども、得られる機会も徐々に減ってきているのではないでしょうか。
SESなどの会社様の場合、帰社日などを用意されていた企業様は、帰社日も撤廃され、お客様先にしかほぼいかなくなり、働いている会社のことをそもそも知らないという方のお話も多く聞きます。
働き方に距離を求められなくなった反面、社員間のつながりが希薄になってきているのが現在の働き方の課題ではないでしょうか。
そこで改めて注目されているのが「インナーブランディング」です。
この離れた社員間のつながりを改めて強固にするための施策がこの時代だからこそ注目されています。
インナーブランディング×DX
お客様や株主、新規採用向けがアウターブランディングなのに対し、インナーブランディングは自社社員に向けたブランディングに特化しています。
インナーブランディングの目的は、理念の浸透や組織に対する理解度を高めることにあります。
これを実現するために、これまでは社内報を発行したり研修や社内向けイベント、社員総会なども社員が一丸となるインナーブランディングとして挙げられていました。
インナーブランディングとしてあげられることはあまりありませんが、お客様の中には定期的に会社発信で飲み会を開催して、社長自らが参加し本音でコミュニケーションを図り続けることで離職率が大きく減少したという例もありました。
しかしこれらは、一か所に大勢で集まりにくくなったコロナ禍の今、なかなか実現が難しくなりました。
そこで目を向けられたのが、インナーブランディングのDX化です。
弊社お客様例として、一同に集まる場がなく会社から社員へメッセージがなくなったことから、社内向けの「社内報+e-ラーニング+社員紹介」を動画を中心に発信していくインナーブランディング専用サイトを構築しました。
インナーブランディングだけでなく、店舗を多く運営されているお客様でしたので、各店舗でリーダー、管理者の方から社員へ様々な落とし込みがあっても、それぞれの知識や教え方に依存することから、知識を一か所に集合させると同時に、発信する内容の統一化も希望されていました。
そこで、インナーブランディング専用サイトの中で動画発信を行い、基本水準となる接客の仕方や営業上の言い回しをすべて集約し、動画で発信していきました。
会社からのメッセージや、代表から社員へのメッセージも動画で社内向けに発信することで、個々の店舗で社長から伝えられていた内容を社内全体に共通の内容を伝えられるようになりました。
また、それだけでなく社員全員に投稿の権限を与えることで、社員が自身の考えや得た知識、趣味まで様々な情報を一つのサイトに発信できるようになりました。
これにより個々の離れた店舗間でも会社と働く人を知ることができるようになりました。
伝達力5000倍!動画が最適な理由
インナーブランディングように、社内報サイトを構築される会社は今までもありました。
特にグループを複数抱える企業様などの場合、個々の会社での指針はあってもグループの指針を伝える場がないため、グループ共通で発信する場がないことから、グループ用のインナーブランディングサイトを構築されるケースもありました。
弊社がお勧めする発信の方法として、インナーブランディングサイトの中のコンテンツを動画で発信する方法をお勧めしています。
理由は以下のものがあげられます。
①テキストと音声の5000倍の情報伝達能力
動画はテキストや音声の5000倍の情報伝達能力があるとされています。
せっかくの社内の理念やヴィジョン、中長期の指針も伝わらなければ意味がありません。
動画の場合情報浸透力が通常のテキストより多いので。
②伝えたいニュアンスが伝わる
オンラインミーティング、テレワークの浸透からzoomなど、動画を見ながらやりとりをする機会も増えました。
動画の場合表情や声色が伝わるため、真剣に伝えたい内容なのか、楽しませたいニュアンスなのかがよく伝わります。
特に人となりを伝える自己紹介のようなコンテンツの場合、動画が特に効果を発揮します。
③実はコンテンツ投稿が最速
これは弊社も構築をサポートしてわかったことですが、実はテキストやパワーポイントを使った社内向けコンテンツ作りより圧倒的に早く公開できます。
理由は「社内向け」というところにあります。
テキストやスライド資料の場合構成からテキストの準備、イラストの挿入など様々な準備が必要で、テキストで正確に伝えるには、膨大な情報量が必要です。
また、Youtubeの企業コンテンツなどの場合、お客様や求職者に見てもらうために、編集や字幕、オープニングエンディングなど様々な準備が必要です。
ですが、社内向け動画の場合
1、スマホで撮影する
2、スマホでYoutubeに公開する
これだけで済みます。
また、社内の朝礼をzoomで行われる企業の場合、そのミーティングを録画してそのまま社内向けメディアに公開される方もいます。
簡単でたくさんの情報を社員、スタッフに提供できる点で動画は最適といえます。
方法として最低限必要なもの
インナーブランディング専用サイト+動画でのコンテンツ発信に必要なものは、ワードプレスと動画などでも実現可能です。
ですが、運営する上で注意すべき点があります。
①会員区分
社内報や社内向け研修動画サイトなどの場合、注意すべき点は他社に見られないクローズドコミュニティであることです。
サイトにログインパスを付け、サイトへの流入を制限する必要がありますが、一人ひとりに別々のIDとパスワードを設定する必要があります。
理由は、退職リスクが伴うためです。
万が一社員全員に同じログインIDとパスワードを発行していた場合、退職が発生した場合、すべてのIDパスワードを変更する必要があります。
退職が発生した際、退職者のみアカウントを切れる状態を作る必要があります。
②動画も閲覧を制限する
動画をサイト上に公開するのはとても大きな容量が必要となり、サーバーも動画の容量に対応できるサーバーを用意する必要があります。
そこで、動画のストリーミングサービスを利用したいところですが、動画をYoutubeなどで公開した場合、サイト同様に自社の社員以外に見られてしまう可能性があります。
Youtubeには限定公開という機能もありますが、URLを把握していれば、同様に退職後でも見れてしまうだけでなく、URLを第三者に共有されてしまう可能性があります。
これらの公開区分をプライベートなものにし、現在在職中の社員のみが見れる環境づくりが必要となります。
プラグイン+vimeoでクローズド環境の確立
退職者のアカウントを切り、動画をサイト上でしか閲覧できないようにするには、以下の二つのものを活用することで、解消できます。
①Simple WordPress Membership
こちらは、ワードプレスのプラグインで、会員制サイトを作る際に利用されるプラグインです。
使い方もシンプルで、ユーザーを登録し、それぞれのユーザーにIDパスワードを発行して権限を与えられるだけでなく、会員にランク付けができます。
この機能により、例えば、新卒の方には、Aという領域のページしか閲覧できない
マネージャークラスはA+B
幹部はA+B+Cというように、閲覧できる権限を切り分けることが可能です。
また、ペイパルを用いた決済機能を導入することも可能なため、会員限定のサブスクリプションサービスを作成することも可能です。
②VIMEO
vimeoはYoutubeのような動画ストリーミングサービスとなりますが、Youtubeの場合、公開、限定公開、非公開に公開区分は限られますが、vimeoの場合細かい公開区分の設定が可能です。
vimeoの中で特に良いのが、特定のURL上でしか閲覧できない設定ができる点です。
つまり、会員限定サイトを作り、そのURL上でしかページを見られない設定にすれば、IDパスを入力してサイトに訪れたユーザーしかその動画を閲覧できないように設定することが可能です。
vimeo上はもちろん、URLで直接検索しても動画は閲覧できず、サイトの貼り付けられた動画を閲覧できないようにすることができます。
この二つを組み合わせることで、現職中の社員のみ閲覧できる環境づくりが可能です。
大事なのは「発信したい」と思える文化づくり
ここまで、インナーブランディングを実現させるための方法をお伝えしてきましたが、最も重要なのは、どう運用していくかになります。
特にこのメディアが盛り上がるかどうかは、社員をどれだけ巻き込み、リーダーだけでなくすべての社員が参加してもらえるかがカギとなります。
そのためには、プロジェクト発足時の担当者・リーダーがこのメディアでできる事の幅を広げてあげる作業が必要ではないかと考えています。
例えば、最初に投稿されている動画の一覧が、企業理念と社員としての在り方のような動画しかなかった場合、どれだけ社員に投稿を促しても新入社員などは動画の投稿を躊躇してしまいます。
しかし、プロジェクト発足時からリーダーが趣味の紹介や会社の好きなところ、日常の風景などを投稿していれば「こんな動画も上げていいんだ」という一つの指標になり、社員も投稿しやすくなります。
承認欲求を刺激する施策
SNSなどでも継続的に投稿するモチベーションになるのが、閲覧者からの評価です。
「この動画、とても勉強になりました。」
「次回の動画も楽しみにしています!」という一言が、動画投稿へのやりがいを感じ、継続した投稿へとつながります。
自然発生的にコメントを待つのではなく、メディアを担当するプロジェクトのリーダーは、発足段階では積極的にコメントなどの反応をしてあげるのが望ましいかと思います。
「人から評価されている また評価されたい」という欲求が社内メディアの活性化につながるかと思いますので、走り出しは特に一つ一つ見て、評価してあげるのがよいでしょう。
インナーブランディング×DXを始めるにはこちらのプラン
今回ご紹介した、会員機能付きサイトの運営はサイト下部のプランからご利用可能です。
また、vimeoなどの運用方法につきましては、登録から運用まで、保守契約の中でお伝えさせていただきますので、ご安心下さい。
コロナ禍のコミュニケーションの取りづらい今だからこそ、社員間のコミュニケーションを活性化させる仕組みを一緒に作りましょう。